経済歴史 日本人がお金にうといのはなぜ?昭和初期までは世界有数の金融・投資のリテラシーが高い国だった

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参考文献:
「ビジネスに役立つ商売の日本史講義」藤野英人 電子書籍

なぜ昭和初期まではマネーリテラシーが高かったのか

遊歴算家(ゆうれきさんか)

江戸時代には遊歴算家(ゆうれきさんか)という人達がいました。

彼らは各地を旅しながら各村々で数学を教えていました。

彼らは幾何学、数列を主に教えていました。

なぜ幾何学?

田んぼの面積の計算に使われていました。

面積の計算は、農業で生活していた人々にとって、
税金の計算や農民同士が喧嘩しないためにとても重要でした。

なぜ数列?

利息などの複利計算に使われていました。

複利計算は、寺などからお金を借りて商売や生活をしていた人々にとっては非常に大事な学問でした。

こういう背景から、
昭和初期までの日本人はとても計算が得意で、

マネーリテラシーが高かったのです。

つまり、
当時の人々にとって数学は、生きていく上での実学だったのです。

ちなみに、
寺子屋が出来た背景もこの流れによるものです。

工業化による教育方針の変更

明治末期頃(1920年代)から工業化が進んでいきます。

すると、
今まで農村部で農家をしていた人達が、どんどん工場で働くようになります。

サラリーマンとして働くようになり、お金を借りる必要がなくなったため、複利計算などは不要になります。

そうなった時に、
文部省は教育方針を変更し、

「工業化に合わせた実学を学ばせよう。」

と考えるわけです。

そして化学や工業が実学となっていきます。

「この水溶液に3%の塩が入っています。水溶液を5倍に薄めると塩分濃度は何%になるでしょう。」など。

このようにして、
日本のマネーリテラシーは低くなっていきました。

おわり。

参考文献