歴史から学ぶ 密造酒と熟成ウィスキーの関係

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参考文献:
「ウィスキー完全バイブル」土屋守 ナツメ社

スコッチウイスキーの定義

①原料が麦芽であること

②蒸溜酒であること

③オークの樽で3年以上熟成すること

①、②は他のお酒も同様の規則があるのでなんとなく理解できますが、

③オークの樽で3年以上熟成することについては、

ウィスキー特有の規則

です。

密造酒とウィスキー熟成の関係

そもそもなぜ熟成しなければならないのか。

これには歴史的な背景が関係します。

ウイスキーはもともとは熟成させずに楽しむお酒でした。

当時18世紀ごろのスコットランドはイングランドと合併した途端にウイスキーに対する酒税がかけられるようになりました。

その税金は高額なものでした。

ウイスキーの作り手は、政府の目から逃れるため山奥に拠点を移し、いわゆる密造酒を作るようになったのです。

その際、作ったウイスキーも隠しておかなければなりませんので、その隠しておく手段として樽を使用したと言うわけです。

ただ隠しておく手段として用いられた樽ですが、数年後にいざ開けてみると琥珀色に変化し、まろやかで美味しいウイスキーに変わっていたのです。

「スコッチ」は、今では樽を使用しなければウイスキーと名乗ることができない地域もあります。

バーボンで有名なアメリカでも、2年以上樽熟成させたものが「ストレート・バーボン」と名乗ることができ、流通している多くの銘柄がこれにあたります。

琥珀色やあの複雑な味わいは樽熟成によって得られています。

熟成期間や樽材の種類などによっても味わいは大きく変化し、それをブレンダーと呼ばれる職人たちが巧みにブレンドすることで、あの複雑な味わいで人気のウイスキーが出来上がるのです。

おわり。

参考文献