歴史から学ぶ 5G世界はどう変わるのか 5Gとは・5Gの歴史・必ず来るものとは・潜在的需要の発見とは

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参考文献:
「5Gビジネス」亀井卓也 日本経済新聞出版社

「未来のことはわからない」と言われていますが、歴史を紐解き過去と現在を繋げて理論的に考えて行けば、未来は予測できるというお話です。

今回は、5Gとは・5Gの歴史について

「5G?なんか聞いたことある。何かが早くなるんでしょ?」

携帯が出てくる前や、スマホが出てくる前は、今では信じられない生活をしていたと感じませんか?

それがあっという間に変わりました。

そして今はそれに慣れているだけです。

スマホが登場した時は、皆さんワクワクしましたよね。

それ以上のワクワクと驚きが5Gの出現によって来ると言われています。

5GのGとは


Gの略はgeneration(時代)のGです。

つまり5Gは第5世代移動通信システムの略です。

第1世代

1980年、
携帯電話が登場し外で電話ができると喜んだ時代で、

お笑い芸人の平野ノラさんがやっている「オッケーバブリー!」な時代です。

いわゆるアナログ通信を使用していますので、音質は今と比べて大分悪かったです。

第2世代

1990年代、
携帯電話でメールがうてるようになった時代です。

ここからデジタル通信が始まりました。

第3世代

2001年、
iモードやezwebのような情報プラットホームの出現により、ネット検索ができるようになりました。

ですが検索してもなんか重いなあと感じていた時代です。

ですので、この頃

「スマホっていらなくない?ガラケーで行きます、私は一生!」

っていう人もいたような気がします。

また初めて日本でiPhoneが発売された時で、その時のiPhoneの名前がiPhone3Gでした。

その時点で、すでに4Gの受け入れができているiPhoneでしたが、3Gの段階でお披露目したというわけです。

第4世代

2012年、
スマホの時代です。

スマートフォンで出来ることが爆発的に増えました。

パソコンと変わらないほど動画やスマホゲーム、さまざまなコンテンツもサクサク楽しめますね。

「スマホっていらなくない?ガラケーで行きます、私は一生!」と言っていたラストサムライは今いったいどこにいったのでしょか。

第5世代について


2020年、
キーワードは以下の通りです。

①高速大容量通信

今まで以上に高画質な動画や大容量データを高速で処理するということです。

②超信頼、低遅延

電波が悪くて動画がカクカク止まるようなことはないということです。

③多数同時接続

人が多くアクセスが多いと繋がりにくいということがないということです。

5Gの技術的キーワードとは



ビームフォーミング
(電波のかめはめ波みたいなもの)

エッジコンピューティング
(データ処理、解析と結果を分業化によるクラウド負荷軽減など)

ここで各年代を見てみると、ほぼ10年置きに技術革新が起こっていることがわかります。

「10年ひと昔」という言葉がある理由もわかりますね。

潜在的需要の発見とは


5Gは今までとは全く違う技術革新のタイミングだと言われています。

どういうことかと言うと、
1G〜3Gまでは何か困っていることがあって、それを改善するというシンプルな技術革新でした。

1Gでは音質が悪いので、2Gでは改善して音質が良くなった。

2Gではデータ通信で受け取れる情報が少ない。

もっと多くの情報を受け取りたいと思ったので、

3Gでは改善して多くの情報を送受信できるようになった。

このように、1つ壁があってそれを突破できますという、問題と解決がセットになっていたので、とてもシンプルでわかりやすかったのです。

ところが、4Gの段階になると通信に関して大きな問題や壁が無くなってきて、ある程度みんな満足するところまで到達しています。

その上で、5Gは何がすごくなるのか、ということを説明するのが非常に難しいフェーズであると言われています。

なぜなら4Gの段階で、すでにある程度満足しているからです。

5Gというすごい力を持ったが、それで何をするかというのは、これからなのです。

5Gのインフラを整えたからといって世界がかわる訳ではなく、

それをどのように上手く使いこなすか。

使いこなす方法を発見すること。

が求められるということです。

これが潜在的需要の発見です。

ビジネスキーワードB2B2Xとは

潜在的需要の発見をし、ビジネスにするための
キーワードはB2B2Xです。

ビジネス取引には以下の2つがあります。

B2C(企業と一般消費者間の取引):

消費者に向けて物を売る

B2B(企業間取引):

企業に向けて物を売る

これから、IoT(物がインターネットに繋がる)時代が到来します。

例えば、
日用品のストックが切れそうになると、自動認識し自動でアマゾンから宅配されるといった感じです。

このように、
企業の取引形態はインターネットと深く繋がることになります。

つまり、ビジネス形態は、

インターネット(通信事業者B)+企業B+(一般消費者Cもしくは企業B=X)

となります。

これがB2B2Xです。

企業は自分の商品が常にインターネットと接続されているという前提でビジネスを考えなければいけないということです。

ビジネスキーワードXaaSとは

もう1つ、

キーワードはXaaS(X as a Service)です。

2つの例を挙げます。

SaaS(Software as a Service):

ユーザーが必要な機能を、必要なときに、必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア、もしくはその提供形態のこと

(例)Adobeはソフト(CD,DVD)販売からネットでダウンロードできるサービス(定額制)を提供する企業になった

PaaS(Platform as a Service):

ソフトウェアを動作させるために必要なOSやミドルウェアなどのプラットフォーム部分も提供するもの

(例)クラウドサービス

定額制でサービスを提供する

サブスクリプションモデル

(利用者はモノを買い取るのではなく、モノの利用権を借りて利用した期間に応じて料金を支払う方式)

がビジネスモデルとしてスタンダードとなっていくということです。

まだまだ広がりは大きく未知数の5G時代ですが、これだけは必ず来ると言われているいくつかのジャンルがあります。

①動画 動画の見方が変わる

現在、ユーチューバーも月末は稼げないと言われています。

なぜかというと、視聴者のみなさんは、月末になってくるとパケット通信の制限がかかり、youtubeの視聴を抑えるようになるからです。

つまりWiFi環境でない限り、ギガ数を使ってしまうので、ギガ数が復活する1日になるまでは動画を見なくなります。

現在youtubeの動画は10分20分のものが多いと感じると思います。

長い動画だと視聴者がギガ数を気にして見ない、避けてしまうため、ユーチューバーの方々が配慮して短めの動画にしているということもあるそうです。

これが今の現状です。

しかし、5Gでは高速大容量通信が実現します。

・動画が見放題

・超高画質

・2時間の動画が約3秒でダウンロードできる

そうなってくると、youtubeユーザーは

「超高画質で長時間の動画が見たくなる」

のです。

音楽を聞き流す感覚で動画を流す時代が来るということです。

電車などで映画を見るのが当たり前になっているかもしれません。

②VR(仮想現実)・AR(拡張現実) ライブ・スポーツの見方が変わる

臨場感のあるライブ・スポーツ観戦が出来るようになります。

自宅やあるいは歩きながらでも、実際の場所に居なくてもライブ観戦やスポーツ観戦が楽しめる。

遠い会場のライブを移動なしでハシゴして観戦、そんなことが当たり前になる日はそう遠くはないかもしれません。

③ゲーム ゲームのプレイ方法が変わる

ハードは不要、必要なのはコントローラーだけ

googleが提供するStadia(ステイディア)がそれにあたります。

ゲームのすべてはクラウド上にあるという、いわゆるクラウドゲーミングがゲームのスタンダードになるということです。

今のオンラインゲームの比にならないほどの規模人数でプレイできる

接続は5秒で完了する

最近ゲーム実況のyoutubeが増えてきていますが、有名な実況者が、ライブでプレイしているゲームに途中から自分も参戦して楽しむ。しかも5秒で参戦。という時代がくるかもしれません。

④自動運転 5G時代の大本命

自動運転にはレベル5まであります。

「自動運転って楽しみだね〜。」

「レベル5まで行くかなあ。」

「ん?何が?」

「自動運転ってLevel0からLevel5まであるのはご存知ですよね?」

「…」

Level 0:

手動で運転する。(普通の車)

Level 1:

アクセルとブレーキ、もしくはハンドルのどちらかを自動コントロールできる。

Level 2:

アクセルとブレーキ、ハンドルどちらも自動コントロールできる。

(2019世界は今この地点です)

Level 3:

基本的にはほぼ操作不要。

オートモードとマニュアルモードを切り替えて使用する。

何か人でしか対応できないことが起きた時だけマニュアルモードで操作する。

Level 4:

完全自動運転。

運転席はありません。

ただし、5G電波が完全に届く限られたエリアでのみ。(例えば東京都内のみなど)

Level 5:

完全自動運転。

運転席はありません。

国の全域で可能。

自動運転はいつ頃実現するのか

Level 5の全域完全自動運転は2030年に実現すると言われています。

Level 4の指定地域完全自動運転は2020年代に必ず実現すると言われています。

生活スタイルや生き方までもがガラリと変わるレベルの大変革です。

なので、

トヨタは自動車産業を大幅に縮小し、モビリティサービスの企業になる

と、2018年1月に、いち早く宣言しているのです。」

⑤医療 手術の方法が変わる

ロボットを使用した遠隔手術が可能になる。

そのロボットには手ブレ補正もついており、5Gでは超信頼・低遅延なので、人間が自分の手で手術するよりも、正確で安全。

世界の名医にどこにいても手術してもらえる。

⑥商品購入 買い物の方法が変わる

お会計は不要。

買い物履歴はスマホで確認。

いわゆるAmazon GOの世界です。

Amazon GOはスマホでタッチしてゲートインをしますが、それも不要になるかもしれません。

これら5つが必ず来ると言われている分野です。

これだけでも想像するだけでワクワクします。

しかしながら、
5Gがもたらす世界の変革がいいことばかりではないことは、今までの歴史を見れば大体予想出来ます。

最近では、
仮想通貨が盛り上がって来た途端、仮想通貨流出事件が起きました。

詐欺事件も起きているようです。

5Gの時代のプライバシー問題

超信頼・低遅延を実現するには高速かつ正確に情報をダウンロードおよび、アップロードする必要があります。

アップロードするのは、個人の位置情報や行動情報(IoT時代となっているので、触るもの全てでログが残る)などで、

それら情報の使い方によっては、常に監視されている状態となります。

(プライバシーを抽象化してアップロードするフィルタリング技術もあるようですが。)

フィルタリングの例です。

「山本花子さんが銀座のセブンイレブンでいつものあの飴を買いました。購入履歴を見ると、ここ半年間、飴を買う頻度が急激に上がっています。」

「86歳女性が銀座のセブンイレブンで飴を買いました。」

トヨタの動向

2018年1月、世界に誇るあのトヨタ自動車が、自動車製造業から、サービスを提供する会社へ移行することを発表しました。

MaaS(Mobility as a Service) とは

5G時代に欠かせないキーワードとしてXaaSがありますが、トヨタはMaaS(Mobility as a Service)を開始するそうです。

つまり、自動車製造業から、モビリティ(移動手段)サービスを提供する会社へ移行するということです。
(XaaSについては下記をご参照ください。)
記事:
歴史から学ぶ 5G世界はどう変わるのか 5Gとは・5Gの歴史・必ず来るものとは・潜在的需要の発見とは

なぜトヨタは自動車製造業をやめるのか

今後自動車は売れなくなるからです。

これから自動車は、5Gによって自動運転の時代に入ります。

そして最近、カーシェアリングサービスも話題になっており、一家に1台,1人1台という時代ではなくなってきています。

すると今後、車は売れなくなってくるであろうということがわかってくるわけです。


トヨタの未来

しかしながら、自動車は手軽な移動手段ですので自動車を使ったサービスは必要です。

サービスのイメージとして例えば、

「スマホアプリで目的地をセット。

すると目的地までのシームレスなアクセスを教えてくれる。

移動開始をセット(事前予約も可能)。

すると、最寄り駅までは、街の中を全自動で動いている車が自動で迎えに来てくれる。

駅まで行き、そこから既存の公共交通機関で移動。

到着駅から目的地までは、全自動の車がすでに迎えに来ており、それに乗り目的地へ。

到着。」

公共交通機関、車の料金、アクセスナビアプリも全て含んで、月額1万円の定額乗り放題でご提供致します。

トヨタは未来に向けて、こんなサービスを創りたいのかもしれません。

これがトヨタの戦略的ビジネスMaaSです。

今後トヨタが5G時代をどう生きるのか、注目です。

まとめ

想像したものが、そのまま現実になっていく時代。

それが5G時代です。

この世界の流れを出来るだけ早くつかみ、流されることなく、楽しみながら活用して行けることが大切なのだと考えます。

参考文献