歴史から学ぶ 日本酒の 熟成 と酒税法の関係 くだらない の語源

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参考文献:

「世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒」古川修 知恵の森文庫

日本酒は熟成することができます。
しかし、なぜ今まで日本酒の熟成を行わなかったのでしょうか。

それには酒税法が関わっています。

日本酒はもともと熟成有りきのお酒だった

昔の人は熟成させることで旨味が乗って美味しく飲めることを知っていました。

くだらないの語源は日本酒からきている

京都や奈良(上方)で作られたお酒が船で江戸に運ばれて来ると、そっちの方が美味しかったという話から、
「上方から江戸にくだって来ていない酒=くだらない酒=美味しくない酒」
と言われています。

熟成した日本酒の方が美味しかったのです。

新酒の人気と酒税法の関係

ですがいろんな背景があり、速醸が広がり新酒がもてはやされ人気となるようになりました。 そして熟成日本酒はランキングを下げてしまいました。

そのいろんな背景の中の1つに酒税法があります。

①製造時課税

お酒を作った時点で課税される

②出荷時課税

お酒を出荷した時点で課税される

製造時課税を採用する理由

酒税は国税であり国の財源なので、国としては
早く税金を納めて欲しい。
そのため日本は①製造時課税を採用していました。 そうすると、酒蔵は税金だけ先に払って日本酒を蔵に貯めておくと、キャッシュフローが悪くなり商売として成り立たなくたるため、お酒を造ってすぐに売りたくなる、売らざるを得なくなります。

国としては早く出荷して税金を払ってもらえば財源が確保できる。 そのため、国は新酒が一番美味しいと宣伝や広告でもてはやし、日本酒=新酒という今の形が出来上がったのです。

おわり

参考文献